カテゴリ: Springの基本 更新日: 2025/12/27

SpringのDI(依存性注入)とは?初心者でもわかる基本解説ガイド

SpringのDI(依存性注入)とは?
SpringのDI(依存性注入)とは?

新人と先輩の会話形式で理解しよう

新人

「先輩、SpringのDIってよく聞くんですけど、どんな仕組みなんですか?」

先輩

「DIは『依存性注入』のことで、オブジェクト同士の依存関係をSpringが自動で解決してくれる仕組みだよ。」

新人

「自動で解決って便利そうですね!それがないとどうなるんですか?」

先輩

「自分でインスタンスを作って管理しないといけないから、コードが複雑になってしまうんだ。DIを使うと、その面倒な作業をSpringが代わりにやってくれるんだよ。」

1. DI(依存性注入)とは?

1. DI(依存性注入)とは?
1. DI(依存性注入)とは?

DI(依存性注入)は、Spring Frameworkの中核となる機能の一つです。オブジェクト間の依存関係を外部から注入することで、クラス間の結合度を低く保ち、保守性やテストのしやすさを向上させます。特に、依存関係が多い大規模なアプリケーションでは、DIを利用することでコードが整理され、拡張が容易になります。

例えば、普通のJavaコードでは以下のようにオブジェクトを直接生成します。


public class Car {
    private Engine engine = new Engine();
}

この場合、CarクラスはEngineクラスに強く依存してしまいます。しかし、DIを使うと依存関係を外部から注入できるため、以下のように改善されます。


public class Car {
    private final Engine engine;

    public Car(Engine engine) {
        this.engine = engine;
    }
}

このようにすることで、エンジンの実装が変わってもCarクラスを変更する必要がなくなり、再利用性が向上します。

2. なぜDIが必要なのか?(メリットと問題解決)

2. なぜDIが必要なのか?(メリットと問題解決)
2. なぜDIが必要なのか?(メリットと問題解決)

DIが必要とされる主な理由は、コードの結合度を下げ、保守性やテストのしやすさを向上させるためです。以下にDIを導入することによる具体的なメリットを挙げます。

2.1 コードの保守性が向上

DIを使うことで、依存オブジェクトが外部から提供されるため、クラスの修正が少なくて済みます。これにより、他の部分に影響を与えることなく変更が可能になります。

2.2 テストが容易になる

依存オブジェクトを外部から注入できるため、モックオブジェクトを利用した単体テストが簡単になります。例えば、以下のようにテスト用のモックを注入できます。


Engine mockEngine = mock(Engine.class);
Car car = new Car(mockEngine);

2.3 コードの再利用性が向上

依存オブジェクトを切り替えることで、同じクラスを異なる状況で再利用できます。例えば、GasEngineElectricEngineを用意しておけば、状況に応じて簡単に切り替えが可能です。

2.4 SpringでのDI実装の利便性

Springでは、アノテーションを用いることで簡単にDIを実装できます。例えば、以下のように@Autowiredを使うと、自動的に依存関係が解決されます。


@Component
public class Car {

    private final Engine engine;

    @Autowired
    public Car(Engine engine) {
        this.engine = engine;
    }
}

これにより、開発者がインスタンス生成を意識する必要がなくなり、開発スピードが向上します。

3. DIの基本的な使い方(@Autowiredの利用方法)

3. DIの基本的な使い方(@Autowiredの利用方法)
3. DIの基本的な使い方(@Autowiredの利用方法)

SpringでDI(依存性注入)を使う際、最も一般的なのが@Autowiredアノテーションを利用する方法です。このアノテーションを使うと、Springが自動的に依存関係を解決してくれます。特に、pleiadesでプロジェクトを作成する場合は、依存関係の追加が簡単です。

3.1 pleiadesでのプロジェクト作成手順

  1. pleiadesを起動し、「新規プロジェクト」を選択します。
  2. 「Spring Starter Project」を選び、プロジェクト名を入力します。
  3. ビルドツールにGradleを選択し、次へ進みます。
  4. 依存関係の追加画面でSpring WebSpring Contextをチェックします。
  5. 完了をクリックすると、自動的に必要な依存関係が追加されます。

3.2 @Autowiredを使ったDIの基本例

以下は、@Autowiredを使用して依存性を注入する例です。


@Component
public class Engine {
    public String start() {
        return "エンジンが始動しました。";
    }
}


@Component
public class Car {

    private final Engine engine;

    @Autowired
    public Car(Engine engine) {
        this.engine = engine;
    }

    public String drive() {
        return engine.start() + " 車が走り出しました。";
    }
}

このように、Carクラスは自動的にEngineクラスのインスタンスを受け取り、インスタンス生成の手間を省けます。

4. フィールドインジェクション、コンストラクタインジェクション、セッターインジェクションの違い

4. フィールドインジェクション、コンストラクタインジェクション、セッターインジェクションの違い
4. フィールドインジェクション、コンストラクタインジェクション、セッターインジェクションの違い

SpringのDIには、主に以下の3つの方法があります。

4.1 フィールドインジェクション

フィールドインジェクションは、直接フィールドに@Autowiredを付けて依存性を注入する方法です。コードが簡潔になる反面、テストがしにくいというデメリットがあります。


@Component
public class Car {

    @Autowired
    private Engine engine;

    public String drive() {
        return engine.start() + " フィールドインジェクションを利用しました。";
    }
}

4.2 コンストラクタインジェクション

コンストラクタインジェクションは、依存性をコンストラクタ経由で注入する方法です。推奨される方法であり、不変性が保たれるため、テストがしやすくなります。


@Component
public class Car {

    private final Engine engine;

    @Autowired
    public Car(Engine engine) {
        this.engine = engine;
    }

    public String drive() {
        return engine.start() + " コンストラクタインジェクションを利用しました。";
    }
}

4.3 セッターインジェクション

セッターインジェクションは、セッターメソッドに@Autowiredを付けて依存性を注入する方法です。依存性がオプションである場合や、後から差し替えたい場合に便利です。


@Component
public class Car {

    private Engine engine;

    @Autowired
    public void setEngine(Engine engine) {
        this.engine = engine;
    }

    public String drive() {
        return engine.start() + " セッターインジェクションを利用しました。";
    }
}

5. DIを使った簡単なアプリケーション例

5. DIを使った簡単なアプリケーション例
5. DIを使った簡単なアプリケーション例

ここでは、DIを活用した簡単なSpringアプリケーションを作成してみましょう。プロジェクトをpleiadesで作成し、以下の手順で進めます。

5.1 プロジェクト構成

  • com.example.demo.controller - コントローラクラス
  • com.example.demo.service - サービスクラス
  • com.example.demo.component - コンポーネントクラス

5.2 コントローラの作成


package com.example.demo.controller;

import org.springframework.stereotype.Controller;
import org.springframework.ui.Model;
import org.springframework.web.bind.annotation.GetMapping;
import com.example.demo.service.DriveService;

@Controller
public class DriveController {

    private final DriveService driveService;

    public DriveController(DriveService driveService) {
        this.driveService = driveService;
    }

    @GetMapping("/drive")
    public String drive(Model model) {
        String message = driveService.startDriving();
        model.addAttribute("message", message);
        return "drive";
    }
}

5.3 サービスクラスの作成


package com.example.demo.service;

import org.springframework.stereotype.Service;
import com.example.demo.component.Engine;

@Service
public class DriveService {

    private final Engine engine;

    public DriveService(Engine engine) {
        this.engine = engine;
    }

    public String startDriving() {
        return engine.start() + " ドライブサービスが呼び出されました。";
    }
}

5.4 コンポーネントクラスの作成


package com.example.demo.component;

import org.springframework.stereotype.Component;

@Component
public class Engine {

    public String start() {
        return "エンジンが始動しました。";
    }
}

以上でアプリケーションの準備が整いました。pleiadesで実行後、ブラウザでhttp://localhost:8080/driveにアクセスすると、"エンジンが始動しました。 ドライブサービスが呼び出されました。"というメッセージが表示されます。

6. 実際にDIを使ったアプリケーションを実行してみよう(pleiadesでの起動方法)

6. 実際にDIを使ったアプリケーションを実行してみよう(pleiadesでの起動方法)
6. 実際にDIを使ったアプリケーションを実行してみよう(pleiadesでの起動方法)

ここでは、先ほど作成したアプリケーションをpleiadesで実際に実行してみましょう。DIの仕組みを確認しながら、起動方法や結果の確認方法について解説します。

6.1 pleiadesでの実行手順

  1. pleiadesを起動し、作成したSpringプロジェクトをインポートします。
  2. プロジェクトエクスプローラーでDemoApplication.javaを見つけます。
  3. DemoApplication.javaを右クリックし、「Spring Bootアプリケーションとして実行」を選択します。
  4. コンソールに「Started DemoApplication in...」と表示されたら正常に起動しています。
  5. ブラウザでhttp://localhost:8080/driveにアクセスし、メッセージが表示されるか確認します。

6.2 実行結果

ブラウザに以下のメッセージが表示されます。


エンジンが始動しました。 ドライブサービスが呼び出されました。

この結果から、EngineクラスのstartメソッドがDriveService経由で呼び出されていることが確認できます。SpringがDIにより依存関係を自動的に解決していることがわかります。

7. よくあるエラーとトラブルシューティング

7. よくあるエラーとトラブルシューティング
7. よくあるエラーとトラブルシューティング

Springアプリケーションの開発中に、初心者がつまずきやすいエラーとその解決方法について紹介します。

7.1 UnsatisfiedDependencyException のエラー

原因: 必要な依存関係が見つからない場合に発生します。

主な対処法:

  • @Component@Service@Controllerのアノテーションがクラスに付いているか確認する。
  • 依存関係が正しいパッケージに存在するか確認する。
  • Springのコンポーネントスキャンが対象パッケージをカバーしているか確認する。

7.2 ポート競合エラー

原因: 8080ポートが既に他のアプリケーションで使用されている場合に発生します。

主な対処法:

  1. 別のアプリケーションを停止する。
  2. application.propertiesに以下を追加してポートを変更する。
    
    server.port=8081
    
    

7.3 404 Not Found のエラー

原因: 指定したURLが間違っている場合や、コントローラが正しくマッピングされていない場合に発生します。

主な対処法:

  • @GetMapping("/drive") のURLが間違っていないか確認する。
  • メソッドがpublicであることを確認する。
  • ブラウザのキャッシュをクリアして再読み込みする。

8. DIを使った開発での注意点と今後の学習のすすめ

8. DIを使った開発での注意点と今後の学習のすすめ
8. DIを使った開発での注意点と今後の学習のすすめ

DIは非常に便利な機能ですが、使用する際にはいくつかの注意点があります。今後の学習をスムーズに進めるためにも、以下のポイントを意識しましょう。

8.1 過度な依存性注入を避ける

多くのクラスに依存性を持たせすぎると、かえってコードが複雑になります。必要な依存関係のみを注入し、シンプルな構成を心がけましょう。

8.2 コンストラクタインジェクションの推奨

フィールドインジェクションは簡単ですが、テストのしやすさやコードの可読性を考慮するとコンストラクタインジェクションが推奨されます。

8.3 今後の学習ポイント

  • スコープ管理: DIでインジェクトされるBeanのスコープ(@Singleton@Prototype)について理解を深めましょう。
  • プロファイルの活用: @Profileを使用することで、開発環境と本番環境で異なるBeanを使い分けることができます。
  • DIのパフォーマンス最適化: 不必要なBeanの生成を避けることで、アプリケーションのパフォーマンスを向上させましょう。

8.4 次のステップ

DIを理解したら、次はSpring AOP(アスペクト指向プログラミング)Spring Securityなど、Springの他の重要な機能にも挑戦してみましょう。DIの知識はそれらの理解を深める基礎となります。

このガイドを通じて、SpringのDIについての基礎が理解できたはずです。実際のプロジェクトで活用しながら、さらに知識を深めていきましょう!

まとめ

まとめ
まとめ

SpringのDI(依存性注入)を全体から振り返る

ここまでの記事では、SpringにおけるDI(依存性注入)とは何かという基本的な考え方から始まり、なぜDIが必要なのか、そして実際にどのように使うのかを段階的に学んできました。DIは単なる便利機能ではなく、Spring Frameworkの根幹を支える重要な仕組みです。特に、Spring Bootを使ったWebアプリケーション開発では、DIを前提とした設計が当たり前になっており、理解していないとコードの意味が分からなくなってしまいます。

DIの本質は「オブジェクトの生成と利用を分離すること」にあります。これにより、クラス同士の結びつきが弱くなり、変更に強く、読みやすく、テストしやすいコードを書くことができるようになります。自分でnewしていた頃と比べると、Springがオブジェクトの管理を肩代わりしてくれるため、開発者は本来の業務ロジックに集中できるようになります。

DIを使うことで得られる具体的なメリット

記事の中で紹介したように、DIを使う最大のメリットは保守性と拡張性の向上です。例えば、エンジンの実装を変更したい場合でも、DIを使っていればCarクラスの修正は不要です。実装の差し替えが容易になることで、将来的な仕様変更にも柔軟に対応できます。

また、単体テストのしやすさも大きなポイントです。コンストラクタインジェクションを使えば、テスト用のモックオブジェクトを簡単に注入できます。これにより、Springを起動せずにクラス単体でのテストが可能になり、品質の高いアプリケーションを作る土台が整います。

DIの実装方法とおすすめの使い分け

Springでは、フィールドインジェクション、コンストラクタインジェクション、セッターインジェクションという三つの方法が用意されていますが、実務ではコンストラクタインジェクションが最も推奨されています。依存関係が明確になり、finalを使って不変性を保てる点は、長期的に見て大きなメリットです。

以下は、記事内で扱ったDIの基本形をまとめたサンプルです。Springがどのように依存関係を解決しているのかを意識しながら読むと、理解がより深まります。


@Component
public class Engine {
    public String start() {
        return "エンジンが始動しました。";
    }
}

@Service
public class DriveService {

    private final Engine engine;

    public DriveService(Engine engine) {
        this.engine = engine;
    }

    public String startDriving() {
        return engine.start() + " サービスから呼び出されました。";
    }
}

このように、DIを使うことでクラス同士が直接依存せず、Springコンテナを介して安全に連携できるようになります。これがSpringらしい設計の基本形です。

DIを理解することが今後の学習につながる理由

DIの理解は、Spring SecurityやSpring Data JPA、Spring AOPといった他の重要な機能を学ぶための土台になります。これらの機能もすべてDIを前提として設計されているため、DIの考え方が分かっていないと設定の意味がつかめません。

逆に言えば、DIをしっかり理解できれば、Springの設定ファイルやアノテーションの役割が自然と見えてきます。「なぜこのクラスに@Componentが必要なのか」「なぜコンストラクタに引数を書くのか」といった疑問が解消され、Spring開発が一段と楽しくなります。

先生と生徒の振り返り会話

生徒:「最初はDIって難しそうでしたが、オブジェクトをSpringに任せる仕組みだと分かってスッときました。」

先生:「それが分かれば大成功ですね。DIはSpringの考え方そのものです。」

生徒:「コンストラクタインジェクションが推奨される理由も理解できました。」

先生:「テストや保守を考えると、とても重要なポイントです。」

生徒:「次はSpring SecurityやJPAでも、DIを意識してコードを読んでみます。」

先生:「ぜひそうしてください。DIが分かると、Spring全体の理解が一気に深まりますよ。」

この記事を読んだ人からの質問

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プログラミング初心者からのよくある疑問/質問を解決します

SpringのDIとは具体的に何をする仕組みなのですか?

SpringのDI(依存性注入)は、クラスが必要とする他のオブジェクトを自動的にSpringが用意して注入してくれる仕組みです。これにより、開発者が毎回自分でインスタンスを作る必要がなくなり、コードの保守性や再利用性が向上します。
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