カテゴリ: SpringのWeb開発(Spring MVC) 更新日: 2026/02/14

Spring Bootで構築する WebSocket の最小構成を初心者向けに解説

Spring Bootで構築する WebSocket の最小構成
Spring Bootで構築する WebSocket の最小構成

新人と先輩の会話形式で理解しよう

新人

「Spring BootでWebアプリを作っていると、WebSocketっていう言葉をよく見かけるんですが、普通のHTTP通信と何が違うんでしょうか?」

先輩

「HTTP通信は、リクエストを送ってレスポンスを受け取ったら通信が終わる仕組みですね」

新人

「ページを表示するたびに通信が終わっている感じですか?」

先輩

「そうです。一方でWebSocketは、一度接続したら通信を維持したままやり取りができます」

新人

「だからリアルタイム通信ができるんですね」

先輩

「その通りです。では、HTTP通信との違いから整理していきましょう」

1. WebSocketとは何か?HTTP通信との違い

1. WebSocketとは何か?HTTP通信との違い
1. WebSocketとは何か?HTTP通信との違い

WebSocketとは、サーバーとクライアントの間で接続を維持したまま、 双方向にデータをやり取りできる通信方式です。 Spring Boot WebSocket を理解するためには、 まず HTTP 通信との違いを押さえる必要があります。

HTTP通信では、ブラウザがリクエストを送信し、 サーバーがレスポンスを返した時点で通信は終了します。 そのため、サーバー側から任意のタイミングで クライアントにデータを送信することはできません。

一方で WebSocket は、最初に接続を確立したあとも通信を維持します。 この仕組みにより、サーバー側からクライアントへ 任意のタイミングでデータを送信できます。 これが HTTP WebSocket 違いとして最大の特徴です。

チャット機能や通知機能のように、 画面を更新しなくても情報を受け取りたい場合、 WebSocket 仕組みは非常に効果的です。

2. なぜSpring BootでWebSocketを使うのか

2. なぜSpring BootでWebSocketを使うのか
2. なぜSpring BootでWebSocketを使うのか

Spring Boot で WebSocket を使う理由の一つは、 Spring MVC を使った通常の Web アプリケーション構成と 無理なく組み合わせられる点にあります。

pleiades で作成した Spring Boot プロジェクトでも、 依存関係を追加し、最低限の設定を行うだけで WebSocket を利用できるようになります。

Spring Boot は設定を簡略化する設計思想を持っており、 WebSocket についても複雑な通信処理を意識せずに扱えます。 そのため、初心者でも WebSocket の最小構成を理解しやすくなっています。

また、Spring Boot WebSocket は非同期処理と相性が良く、 サーバー側のイベントを即座に画面へ通知できる点も大きなメリットです。

3. Spring MVCとWebSocketの関係

3. Spring MVCとWebSocketの関係
3. Spring MVCとWebSocketの関係

Spring MVC は、リクエストとレスポンスを中心にした Web アプリケーションの基本構造を提供します。 @Controller を使った画面表示や画面遷移は、 Spring MVC が担当しています。

WebSocket は、この Spring MVC の通信とは別の経路として動作します。 ただし、同じ Spring Boot アプリケーションの中で共存します。 画面表示は Spring MVC、リアルタイム通信は WebSocket という役割分担になります。


@Controller
public class HomeController {

    @GetMapping("/")
    public String index() {
        return "index";
    }
}

このコントローラは、通常の Spring MVC の画面表示を担当しています。 WebSocket を使う場合でも、最初の画面表示や画面遷移は これまで通り @Controller を使って行います。

画面が表示されたあとに WebSocket 接続を開始することで、 通常の Web アプリケーション構成を保ったまま、 リアルタイム通信を追加できます。


@Configuration
@EnableWebSocket
public class WebSocketConfig implements WebSocketConfigurer {

    @Override
    public void registerWebSocketHandlers(WebSocketHandlerRegistry registry) {
        registry.addHandler(new SimpleWebSocketHandler(), "/ws");
    }
}

この設定クラスは、WebSocket のエンドポイントを定義しています。 「/ws」というURLに対して WebSocket 接続を受け付けることで、 クライアントとサーバーが接続を維持したまま通信できるようになります。

このように、Spring MVC と WebSocket は役割を分けて共存します。 Spring Boot WebSocket の最小構成を理解するためには、 この関係性を正しく押さえることが重要です。

4. Spring BootでWebSocketを使うための最小構成とは

4. Spring BootでWebSocketを使うための最小構成とは
4. Spring BootでWebSocketを使うための最小構成とは

Spring Boot WebSocket 設定を理解するうえで重要なのは、 いきなり複雑な構成を覚えようとしないことです。 WebSocket の最小構成とは、 「接続を受け付ける設定」と「通信を処理するクラス」 この二つをまず用意することだと考えると分かりやすくなります。

pleiades で作成した Spring Boot プロジェクトでは、 通常の Spring MVC 構成に WebSocket 用の設定クラスを追加するだけで、 最小限の WebSocket 環境を整えることができます。 Maven や Gradle の細かい設定を深く理解していなくても、 基本的な流れを学習することは可能です。

WebSocket 最小構成では、 「どのURLで WebSocket 接続を受け付けるか」 「接続後の通信をどのクラスが処理するか」 この二点を明確にすることが目的になります。 まずはこの考え方を押さえておくことが、 後続の理解につながります。

5. WebSocketの基本構成要素(エンドポイント・ハンドラの役割)

5. WebSocketの基本構成要素(エンドポイント・ハンドラの役割)
5. WebSocketの基本構成要素(エンドポイント・ハンドラの役割)

WebSocket の最小構成を成り立たせている要素の一つが、 エンドポイントと呼ばれる接続先のURLです。 エンドポイントは、 クライアントが「ここに接続したい」と指定する入口のような存在です。

もう一つ重要なのが、ハンドラと呼ばれるクラスです。 ハンドラは、接続後に送受信されるメッセージを処理する役割を持ちます。 HTTP通信でいうコントローラのような立ち位置ですが、 WebSocket 専用の処理を担当します。


public class SimpleWebSocketHandler extends TextWebSocketHandler {

    @Override
    protected void handleTextMessage(WebSocketSession session, TextMessage message)
            throws Exception {
        session.sendMessage(new TextMessage("受信しました"));
    }
}

このハンドラクラスでは、 クライアントからメッセージを受け取ったときの処理を定義しています。 ここでは難しい処理は行わず、 受信したことをそのまま返すだけにしています。 これが WebSocket 最小構成における基本的なハンドラの役割です。

初心者の段階では、 「ハンドラは WebSocket 専用の処理クラス」 という理解で十分です。 細かいメソッドの意味は、 動きを確認しながら徐々に理解していくとよいでしょう。

6. WebSocket通信の流れ(接続・送信・受信)

6. WebSocket通信の流れ(接続・送信・受信)
6. WebSocket通信の流れ(接続・送信・受信)

WebSocket 通信 流れをイメージするためには、 通信の開始から終了までを順番に考えることが大切です。 WebSocket は、まず HTTP 通信を使って接続要求を行い、 その後 WebSocket 通信へ切り替わります。

接続が確立されると、 クライアントとサーバーは通信を維持したままになります。 その状態で、どちらからでもメッセージを送信できます。 この点が、毎回通信が終わる HTTP 通信との大きな違いです。

比喩で考えると、 HTTP通信は手紙のやり取り、 WebSocket は電話で会話している状態に近いと言えます。 一度つながれば、何度でもやり取りができるため、 リアルタイム性の高い通信が可能になります。


registry.addHandler(new SimpleWebSocketHandler(), "/ws");

この設定によって、 クライアントは「/ws」というURLに接続することで、 WebSocket 通信を開始できるようになります。 接続後の送信と受信は、 先ほどのハンドラクラスが担当します。

WebSocket 通信 流れを理解する際は、 「接続」「維持」「送信と受信」 この三つの段階を意識すると、 全体像をつかみやすくなります。

7. Spring MVCアプリケーションの中でWebSocketがどう動くか

7. Spring MVCアプリケーションの中でWebSocketがどう動くか
7. Spring MVCアプリケーションの中でWebSocketがどう動くか

Spring MVC アプリケーションの中で WebSocket は、 あくまで補助的な通信手段として動作します。 画面表示や画面遷移は従来どおり Spring MVC が担当し、 リアルタイム性が必要な部分だけを WebSocket が補います。

例えば、最初に @Controller を使って画面を表示し、 その画面が読み込まれたあとに WebSocket 接続を開始する、 という流れが一般的です。 これにより、通常の Web アプリケーション構成を崩さずに、 WebSocket を追加できます。

Spring Boot WebSocket 最小構成では、 「Spring MVC の役割」と 「WebSocket の役割」を明確に分けることが重要です。 どちらも同じアプリケーション内で動作しますが、 処理の目的はまったく異なります。

この役割分担を意識できるようになると、 WebSocket をどこで使うべきか、 どこは通常の HTTP 通信で十分か、 という判断ができるようになります。 それが、初心者が次のステップへ進むための大きなポイントになります。

8. WebSocketを使うときによくある注意点・つまずきポイント

8. WebSocketを使うときによくある注意点・つまずきポイント
8. WebSocketを使うときによくある注意点・つまずきポイント

Spring Boot WebSocket 注意点として、初心者が最初につまずきやすいのは、 「設定はできているはずなのに通信が始まらない」という状況です。 この原因の多くは、WebSocket が HTTP 通信とはまったく別の仕組みで動いていることを、 頭の中で切り替えられていない点にあります。

HTTP通信では、URLにアクセスすれば必ずレスポンスが返ってきます。 しかし WebSocket の場合は、URLにアクセスしただけでは通信は成立しません。 「接続するための処理」がクライアント側で明示的に実行されて、 はじめてサーバー側のハンドラが動き出します。

そのため、画面は表示されているのに、 WebSocket の処理が一切動かないという状態が起こります。 これはエラーではなく、 WebSocket 接続がまだ始まっていないだけ、というケースがほとんどです。

また、WebSocket は接続を維持する仕組みのため、 サーバー側で例外が発生すると、 その接続自体が切断されてしまうことがあります。 通常の HTTP 通信のように、 毎回新しいリクエストが来るわけではない点も、 知らないとハマるポイントです。

9. WebSocketが向いている処理・向いていない処理

9. WebSocketが向いている処理・向いていない処理
9. WebSocketが向いている処理・向いていない処理

WebSocket 使いどころを判断するためには、 「なぜ WebSocket を使うのか」を常に意識することが大切です。 WebSocket はリアルタイム通信を得意としますが、 すべての処理に向いているわけではありません。

WebSocket が向いているのは、 チャット、通知、進捗状況の反映など、 サーバー側の変化を即座に画面へ伝えたい処理です。 画面更新を待たずに情報を届けたい場合、 WebSocket の仕組みは非常に効果的です。

一方で、画面遷移やデータ登録のように、 ユーザーの操作ごとに結果を返せば十分な処理は、 通常の HTTP 通信の方がシンプルです。 WebSocket を使う必要がない場面で無理に導入すると、 構成が複雑になり、理解しづらくなります。

Spring Boot WebSocket 最小構成を学ぶ段階では、 「HTTP通信では困る場面かどうか」 という視点で使い分けを考えると、 WebSocket の役割が明確になります。

10. Spring Boot WebSocketの最小構成を理解するためのポイント

10. Spring Boot WebSocketの最小構成を理解するためのポイント
10. Spring Boot WebSocketの最小構成を理解するためのポイント

Spring Boot WebSocket の最小構成を理解するために、 これまで説明してきた内容を整理しておきましょう。 重要なのは、WebSocket は Spring MVC の代わりではなく、 補助的な通信手段であるという点です。

画面表示や画面遷移は @Controller が担当し、 その裏でリアルタイム通信を WebSocket が支える、 という役割分担を意識することが大切です。 この考え方が曖昧なまま進むと、 どこで何が動いているのか分からなくなります。

また、最小構成では、 エンドポイントとハンドラの二つに注目するだけで十分です。 いきなり高度な機能を追いかけず、 「接続できたか」「メッセージが届いたか」 を一つずつ確認する姿勢が重要になります。

この基礎を押さえておけば、 WebSocket の応用的な使い方も、 無理なく理解できるようになります。

11. 初心者が次に学ぶとよい関連トピック

11. 初心者が次に学ぶとよい関連トピック
11. 初心者が次に学ぶとよい関連トピック

Spring Boot WebSocket の最小構成を理解できたら、 次に学ぶとよいのが非同期処理や、 より高度なリアルタイム通信の仕組みです。 これらは WebSocket と密接に関係しています。

例えば、サーバー側で発生した処理結果を、 非同期で WebSocket 経由に通知することで、 より実用的なリアルタイム通信が実現できます。 非同期処理は、WebSocket の性能を活かすための重要な考え方です。


@Async
public void notifyMessage(WebSocketSession session) {
    try {
        session.sendMessage(new TextMessage("非同期で通知しました"));
    } catch (Exception e) {
        e.printStackTrace();
    }
}

また、STOMP という仕組みを使うと、 WebSocket 通信をより整理された形で扱えるようになります。 これは、メッセージの送信先や役割を分かりやすく管理するための仕組みです。 初心者の段階では、 「WebSocket を使いやすくするための仕組み」 という理解で十分です。


registry.addHandler(new SimpleWebSocketHandler(), "/ws")
        .setAllowedOrigins("*");

リアルタイム通信 Spring の世界は奥が深いですが、 すべてを一度に理解する必要はありません。 まずは WebSocket の最小構成を確実に理解し、 そこから少しずつ知識を広げていくことが、 初心者にとって最も安全で確実な学習方法です。

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