JWTとセッション認証の違いを初心者向けに徹底解説!Spring環境で学ぶ認証方式の基本
新人
「先輩、Webアプリで使われるJWTとセッション認証ってどう違うんですか?」
先輩
「どちらもユーザーを認証するための仕組みだけど、使い方や特徴が大きく異なるんだよ。」
新人
「そうなんですか?具体的にどういう場面で使い分けるんですか?」
先輩
「じゃあまずは、そもそも認証とは何なのかから整理していこうか。その上でセッション認証とJWT認証の仕組みを順番に説明するよ。」
1. 認証とは何か(基本的な説明)
認証とは、アクセスしてきたユーザーが本当にそのユーザーであることを確認するプロセスです。例えば、ログイン画面でユーザー名とパスワードを入力すると、それをサーバーが確認して本人であるかどうかを判断します。
Webアプリケーションにおける認証は、ユーザーごとにアクセスできる範囲を制御したり、セキュリティを確保するために不可欠です。Spring環境では、セッション認証とJWT認証がよく使われます。
どちらも認証の目的は同じですが、情報の保存場所や通信の流れが異なるため、システム設計やセキュリティ要件に応じて選択する必要があります。
2. セッション認証の仕組みと特徴
セッション認証は、従来から使われている一般的な認証方式です。ユーザーがログインすると、サーバーはそのユーザー専用のセッション情報を作成し、ブラウザにはセッションIDをクッキーとして保存します。
次回以降のリクエストでは、このセッションIDがサーバーに送られ、サーバーはセッションストア内の情報を参照してユーザーを特定します。セッション情報はサーバー側で保持されるため、セキュリティ面では比較的安全ですが、サーバーの負荷やスケーリング面では注意が必要です。
@Controller
public class LoginController {
@PostMapping("/login")
public String login(HttpSession session, @RequestParam String username, @RequestParam String password) {
if ("user".equals(username) && "pass".equals(password)) {
session.setAttribute("username", username);
return "home";
}
return "login";
}
}
セッションにユーザー名を保存
このように、セッション認証ではサーバーに状態(セッション情報)が残るため、「ステートフル」な方式と呼ばれます。
3. JWT認証の仕組みと特徴
JWT(JSON Web Token)認証は、ユーザー情報をトークン化してクライアント側に保持する仕組みです。ユーザーがログインすると、サーバーは署名付きのJWTを発行し、これをクライアントに返します。クライアントは以後のリクエストでこのJWTをHTTPヘッダーに載せて送信します。
サーバーは受け取ったJWTを検証し、正しい署名であれば認証を通過させます。セッションのようにサーバー側でユーザー状態を保持しないため、「ステートレス」な認証方式として知られています。
@Controller
public class JwtLoginController {
@PostMapping("/login")
public ResponseEntity<String> login(@RequestParam String username, @RequestParam String password) {
if ("user".equals(username) && "pass".equals(password)) {
String token = JwtUtil.generateToken(username);
return ResponseEntity.ok(token);
}
return ResponseEntity.status(HttpStatus.UNAUTHORIZED).body("認証失敗");
}
}
JWTトークンを発行して返す
JWT認証の特徴は、スケーラビリティが高く、複数サーバー間で状態を共有する必要がない点です。ただし、トークンの管理や有効期限設定には注意が必要です。
ここまでのまとめ
ここまでで、認証とは何か、セッション認証の仕組み、JWT認証の仕組みを理解できました。次のステップでは、それぞれのメリット・デメリットや具体的な比較方法を見ていきます。
4. セッション認証のメリットとデメリット
セッション認証は長年多くのWebアプリケーションで使われてきた方式であり、信頼性の高さが魅力です。メリットとしては、セッション情報がサーバー側に保持されるため、トークンの盗難や改ざんリスクを最小限に抑えられる点があります。また、サーバーが一元的にセッションを管理するため、ログアウト処理や権限変更が容易です。
一方で、デメリットとしては、サーバーにセッション情報を保存するためメモリ使用量が増え、同時接続数が多い環境ではスケーリングが難しくなることがあります。また、複数のアプリケーションサーバーを使う構成では、セッション情報を共有するための仕組み(セッションレプリケーションや外部ストレージ)が必要になります。
さらに、セッション認証はクッキーに依存することが多いため、ブラウザのクッキー設定やCSRF対策の実装も欠かせません。
5. JWT認証のメリットとデメリット
JWT認証の最大のメリットは、ステートレスであるためサーバーにユーザー状態を保存しなくてもよい点です。これにより、負荷分散やスケーラビリティが高まり、マイクロサービスアーキテクチャとの相性も抜群です。また、トークン自体に必要な情報を含められるため、外部サービス間での認証情報共有が容易になります。
さらに、JWTは署名により改ざん検知が可能であり、正しい署名が付いていないトークンは検証で弾かれるため、セキュリティ面でも強みがあります。
しかしデメリットとして、有効期限内であればトークンを無効化できないことが挙げられます。トークンが漏洩した場合、期限が切れるまで悪用される恐れがあるため、発行時の期限設定や再発行ルールの設計が重要です。また、ペイロードはBase64でエンコードされるだけで暗号化されないため、機密情報を含めるのは避けなければなりません。
6. セッション認証とJWT認証の比較表
ここでは、セッション認証とJWT認証の違いをわかりやすく比較表にまとめます。これにより、それぞれの特徴が明確になり、システムに適した方式を選びやすくなります。
| 項目 | セッション認証 | JWT認証 |
|---|---|---|
| 状態管理 | サーバー側で管理(ステートフル) | クライアント側で管理(ステートレス) |
| スケーラビリティ | サーバー間でセッション共有が必要 | トークンを持ち回るため共有不要 |
| セキュリティ | セッションID盗難のリスク | トークン漏洩時に期限まで無効化困難 |
| 実装の容易さ | Spring標準機能で簡単に実装可能 | トークン生成・検証処理の実装が必要 |
| ログアウト処理 | サーバー側で即時無効化可能 | 原則として有効期限切れを待つ必要あり |
| マイクロサービス対応 | 不得意(状態共有が必要) | 得意(状態不要で分散対応可) |
この表からわかるように、セッション認証は従来型のWebアプリケーションや単一サーバー構成に向いており、JWT認証は分散環境やAPI連携が多いシステムに向いています。プロジェクトの要件に応じて選択することが重要です。
比較を踏まえた考察
セッション認証とJWT認証はどちらが優れているというものではなく、それぞれの特性を理解して使い分けることが大切です。セキュリティ要件、パフォーマンス要件、アーキテクチャの構成によって最適解は変わります。次のパートでは、実際の開発現場でどのように選択すべきか、具体例を交えて解説します。
7. 実際の開発シーンでの使い分け例
現場の開発では、アプリケーションの性質や構成によってセッション認証とJWT認証を使い分けます。例えば、従来型の企業向け社内システムやイントラネットでは、単一サーバー構成が多く、セッション認証が選ばれるケースが一般的です。理由は、サーバー側で一括してユーザー状態を管理でき、アクセス制御やログアウト処理も即時反映できるからです。
一方で、ECサイトやSNSのように複数サーバーやマイクロサービスで構築され、ユーザー数が多いシステムでは、スケーラビリティに優れるJWT認証が採用されやすくなります。トークンをクライアント側で保持するため、サーバー間でセッションを同期する必要がなく、負荷分散が容易になります。
API連携が前提のアプリケーションやスマートフォンアプリのバックエンドでも、JWTは非常に有効です。サーバー間通信や外部サービスとの連携でも同じトークンを使い回せるため、認証基盤の設計がシンプルになります。
8. JWTとセッション認証を組み合わせるパターン
実は、セッション認証とJWT認証を併用するハイブリッドな実装もあります。例えば、外部APIとの通信にはJWTを利用し、社内の管理画面にはセッション認証を使う方法です。こうすることで、外部サービスとの安全な連携と、内部向けの即時セッション無効化の両方を実現できます。
もう一つのパターンとして、セッションストアにJWTを保存し、トークン自体の有効性に加えてセッションの有効性もチェックする方法があります。これにより、トークン漏洩時にもサーバー側から即時無効化できる利点があります。
@Controller
public class HybridAuthController {
@PostMapping("/login")
public String login(HttpSession session, @RequestParam String username, @RequestParam String password) {
if ("user".equals(username) && "pass".equals(password)) {
String token = JwtUtil.generateToken(username);
session.setAttribute("jwtToken", token);
return "redirect:/dashboard";
}
return "login";
}
@GetMapping("/api/data")
public ResponseEntity<String> getData(HttpSession session) {
String token = (String) session.getAttribute("jwtToken");
if (JwtUtil.validateToken(token)) {
return ResponseEntity.ok("APIデータ取得成功");
}
return ResponseEntity.status(HttpStatus.UNAUTHORIZED).body("認証エラー");
}
}
このような構成により、内部アクセスではセッションによる即時制御、外部アクセスではJWTによる認証を同時に運用することが可能になります。
9. 初心者が認証方式を選ぶ際のポイント
初心者がJWTとセッション認証のどちらを選ぶべきかは、開発するシステムの要件を整理することから始まります。まず確認すべきは「サーバー構成」と「利用規模」です。単一サーバーや小規模な社内システムであれば、実装が容易なセッション認証で十分です。
反対に、複数サーバーやクラウド環境でスケールさせる必要がある場合や、外部APIとの連携が前提の場合は、JWT認証の方が有利です。また、マイクロサービス間通信やスマホアプリとの接続では、サーバーに依存しないJWTの特性が活きます。
さらに、セキュリティ要件も重要です。セッション認証はトークン無効化が容易ですが、スケーリングには工夫が必要です。JWTはステートレスで高速ですが、発行後の無効化が難しいため、短い有効期限やリフレッシュトークンの設計が欠かせません。
選定の際には、開発チームのスキルや運用体制も考慮してください。既存のSpring Securityを活用できる場合、セッション認証は導入が簡単ですし、JWTも専用ライブラリを組み合わせれば比較的スムーズに実装可能です。
実務で役立つ判断基準
- 単一サーバー、小規模:セッション認証が適している
- 大規模、分散環境、API連携:JWT認証が有利
- 外部公開APIと内部管理画面を分ける:ハイブリッド構成が有効
- セキュリティ要件が厳しい:短い有効期限や多要素認証を組み合わせる
このように、システムの特性や運用体制を踏まえて認証方式を選択することが、セキュリティと利便性を両立する鍵となります。